Fluid Art、Fluid Painting、Pouring Artの歴史と技法について考える。 フルイドアート/ポーリングアート/ムービングカラーズ/Moving Colors

Fluid Art、Fluid Painting、Pouring Artの歴史と技法について考える。

以前の記事にも少し書いたが、Fluid Artの歴史について書いた記事が、現状全く見当たらない。(特に日本語では)
もちろん自分の探し方が不十分なだけで、どこかにはあるのかもしれないが、自分は見つけることが出来ていない。

という事で、ところどころ推論を交えつつ、自分なりにFluid Art、Fluid Painting、Pouring Artの歴史について考えてみたい。

・この数年で新しく始まった技法だというのは間違い。
 (何故なら少なくとも1999年には自分がMoving Colorsという技法として思いついて始めていたから)

・技法の源流はマーブリングにある。
 (日本や中国では「墨流し」という技法が9世紀頃からあり、15世紀にはトルコでマーブリング技法が確立されたとされる。)

・マーブリングとの違いは、水に塗料を浮かべるのがマーブリング、直接キャンバスや板に彩色するのがFluid ArtやPouring Art、Moving Colorsという事にある。

・元々はセル模様のない(少ない)タイプが始まりだったと思われる。
 (画像検索で海外サイトを探って行くと、セル模様だらけのタイプより以前にセル模様のないタイプが出てくる事と、
 技法の成立過程を考えても、セル模様の作品が後に来る方が自然だから。)

・1999年からの自分のMoving Colorsの技法ではセル模様のない、もしくは殆どない作品が主流だが、いくつかの作品では初期の頃からセル模様がある程度、発生している。

・海外でDip(浸す)と呼ばれている技法は、自分が1999年に始めた「羽根模様」の技法と基本的には同じである。
 (ただし、自分の方がおそらく10年以上も先行し、先に様々なバリエーション展開していたが。)

・Fluid Art、Fluid Painting、Pouring Artなどの名称があるが、別々の技法ではなく、互いに重なり合っている。

※逆に1999年より前にこういった流動絵画の事例があるのを知っている人がいましたら、教えて下さい。
(絵の具を流して模様をつくる絵画自体はそれ以前からありましたが、、、。)

<・この数年で新しく始まった技法だというのは間違い。>
まず最初に書いておくべき事は、海外でFluid Artが大きく流行したのは、せいぜいこの4〜5年の事だと思われるが、
だからと言ってFluid Artの歴史がこの4〜5年だと思うのなら、それは大きな間違いだという事。

なぜなら、自分にとってこれ以上なくはっきりしている事として、海外でFluid ArtやFluid Painting、Pouring Art、
あるいはそれに類似する呼称で呼ばれている絵画技法のかなりの部分は、自分が既に1999年にMoving Colorsという技法としてほぼ確立し、
その後ずっと、その技法に基づく多数の作品を、日本国内のギャラリーやイベントスペース、さらにはネット上の様々なサイトで公開してきたものだからである。

海外での流行がこの数年だと思う理由は、YouTubeなどで30万回以上とか再生されているHow To動画をいろいろ見ても、
自分が見た範囲では古い動画でも3〜4年前のものだからという事と、Googleで画像検索しても、5〜6年遡るとFluid Art作品が激減する事による。
画像検索で数年遡るとセル模様の作品は殆ど見当たらなくなり、セル模様のないタイプのFluid Artが少し検索に引っかかるという状況になる。

例えば2012年1月9日〜2013年1月9日の画像検索結果はこんな感じ。
https://www.google.com/search?q=fluid+art&biw=1356&bih=767&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A1%2F9%2F2012%2Ccd_max%3A1%2F9%2F2013&tbm=isch

1999年頃の自分の作品

この当時の海外作品と、自分の1999年頃からの作品を見比べれば、自分の方がこの技法において、
海外の作家たちよりも大きく先行していたことが、はっきりと見て取れると思う。

特に2005年頃から一時は大人気のSNSだったmixiで自分は多数の作品を公開し、
おそらくそれを見た人は数千人、もしくは数万人単位に上ると思われるので、
ネット上でもまず多くの人がこの手の流動絵画に触れたのは自分の絵の画像によると思われる。

それから約10年ほどが過ぎて、海外ではいつの間にかFluid ArtとかFluid Painting、Pouring Artなどの呼称で、
自分のMoving Colorsとかなりの部分で同じ技法が大きく流行しているというのが今の状況である。

それでは自分が1999年にMoving Colorsという技法を始めたのよりも早くに、同じような技法をやっていた人はいたのだろうか?
これに関しては正直言って、よくわからない。
少なくとも日本国内では1999年頃から約10年以上に渡ってほぼ全く見かけなかったのは事実である。
同じ頃から大きく発展し始めたインターネットで、自分なりに海外サイトなども検索したが、似たような絵を見つける事は出来なかった。

あちこちのグループ展や上記のmixiなどで、たくさんの作家の作品を見たが、自分の作品は際立って独創的で、
数多くのmixiユーザーや、あるいはたまたま自分の展示を見に来た人などに、繰り返し賞賛されたが、
画廊などのギャラリストには意外と相性が悪く、こんな絵の具を流しただけの絵なんてダメだ、と酷評された事もあったが、
自分は自分の作品に絶大な自信があったので、この画廊主は何もわかってない、とか思って話を聞いていたりしていた。

自分がこのMoving Colorsという技法を思いついたのは全くの偶然で、他人から教わったわけではない。

1999年当時の自分の念頭にあったのは、ジャクソン・ポロックのような絵の具を投げつけるような即興絵画とは何か違うことができないか、
ということで、油絵具とか水彩絵の具とかエナメル塗料とか、いろんな塗料を画材屋や模型屋などで購入してきて、
あれこれ試していた時に、絵の具がたくさん載ったキャンバスを、ふと持ち上げて傾けたら、予想以上に早い速度で載っていた絵の具が流れ、
予想もしない綺麗な模様が出来た事による。

こんな技法があることは当時の自分は全く知らなかったので、出来た絵に驚愕し、それからまたいろいろな塗料を試して、
水性ペンキがこの技法と非常に相性がいい事を発見して。その後は主に水性ペンキでこの技法による絵画をたくさん制作してきた。

この水性ペンキというのを絵画の材料として使っている人は、実は驚くほど少ない。
成分的にはアクリル絵の具に近いのだが、樹脂成分が一般的なアクリル絵の具より多い。
しかし、今のFluid Artなどの技法はアクリル絵の具にポーリングメディウムなどのメディウムを混ぜているのだが、
このメディウムは要するにアクリル樹脂なので、アクリル絵の具を水性ペンキにさらに近い成分にしていると言えるだろう。
そういう意味で、自分が1999年の段階で既に水性ペンキを使用していたのは、この点でも技法として先行していたと言えると思う。
(付け加えるなら、水性ペンキの方が安価でコストパフォーマンスもいい。その代わり色数が少ないという難点はあるが。)
最近では、水性ペンキのクリヤー(透明)をアクリル絵の具に混ぜるというやり方も思いついて、以前、記事に書いた。

美しい羽根模様の技法を思いついたのもその少し後で、同じ1999年のうちに、ふと版画のように紙をペタッと押し付けたらどうなるか、
と思いついてやってみたら、これまた予想外に美しい羽根模様が出現して、これまたビックリしてその後たくさんの作品を作って来たという経緯になる。

<・技法の源流はマーブリングにある。>
Fluid Artや、1999年当時、自分が思いついたMoving Colorsという技法が、
古くからのマーブリングに似ている部分があるというのは、作品を見てのとおりである。
ただし、マーブリングと大きく違うのは、マーブリングは液体に塗料を浮かべて、紙などで写し取るようにする技法であるのに対し、
Fluid ArtやMoving Colorsは、液体に浮かべるのではなく、直接キャンバスや板などに塗料を載せて流しているという点で大きく異なる。
そしてその違いが、重層的な色彩やグラデーションを生み、マーブリングでは見られなかった表現を大きく可能にしている。

上にも書いたように、マーブリングは9世紀頃の墨流しと15世紀頃のトルコで確立したとされている。
トルコではEbru(エブル)と呼んだりするらしい。
それから数百年が過ぎて、Moving ColorsやFluid Artといった技法が生まれたのかもしれない。

<・元々はセル模様のない(少ない)タイプが始まりだったと思われる。>
ネット上を見ていると、セル模様(細胞のような模様)に魅了されてFluid Artを始めた人が多く見受けられる。
さらに言うと、セル模様の絵画がFluid Artだと誤解している人たちもいるようだが、
既に上にも書いたように、海外のFluid Artや自分のMoving Colorsのような流動絵画の原点はセル模様の絵画ではない。
むしろセル模様はオマケ程度に少し生じたりしていたのが実際のところだろう。

近年流行の、殆どの全面にセル模様が浮かんでいるタイプのFluid Artは誰が最初に始めたのか、
これもちょっと調べた範囲ではわからなかった。
あまりにも多くの人が同じようなスタイルのセル模様のFluid Artをやっていて、よくわからない。
もしかしたら作家というより、どこかの画材メーカーが流行させたのかもしれないが、
先日参加してみたGOLDENのセミナーではGOLDENの方では全く把握していなかったし、
リキテックスのサイトなどを見ても、リキテックスが主導したという感じには見えない。
あるいはArtResinなどの溶剤系のメーカーが流行らせたのかもしれない。

<・海外でDip(浸す)と呼ばれている技法は、自分が1999年に始めた「羽根模様」の技法と基本的には同じである。>
海外の作家がよくやっている技法の1つにDip(浸す)というのがあるのだが、これが基本的にどういう技法かというと、
アクリル塗料を板とかビニールの上とかに注いで、その上にキャンバスをべたっと押し付けて浸すという感じの技法で、
そうすると羽根っぽい模様が出来たりする。
しかしこの技法は自分が1999年に思いついた羽根模様の絵画の技法の劣化版みたいなものである。
なぜなら、板張りのキャンバスはべたっと押し付けて一方向から剥がすことしかできないからである。
自分が1999年に思いついた技法はこれより先を言っている。
なぜなら板張りではない紙やキャンバスを絵の具に押し付けることで、一方向からはがすこともできるが、
紙の両端をもって剥がしたり、様々な工夫が可能だからだ。
しかも自分はこれを海外の作家たちより10年以上も早くやって生きたのだから、
これに関しては先駆者として声高に先住権を主張したいところである。

マーブリングにも自分の羽模様の絵画に近い模様が出ているものもある。
しかし、マーブリングは液体に塗料を浮かべている関係上、重曹的な絵の具の効果が得られにくい、
要するにFluid ArtあるいはMoving Colorsの方が、ベタッと分厚い塗料の重なりがある。
そしてこのことが、マーブリングより複雑で重曹的な予想外のグラデーションを生む理由になっている。

さて、Fluid ArtやPouring Artの技法についてもある程度書こうと思ったのだが、
だいぶ記事が長くなったので、またの機会にする。

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